「小学校700語問題」を考えてみました①

みなさんは、「小学校700語問題」について聞いたことはありますか?

先日、いろいろなニュースサイトなどでも取り上げられていましたが、本当に切実な問題になってきているのではないかと思っています。

2020年、小学校では5年生から英語が正式な教科となり、2021年には中学校の英語の教科書が改訂されました。この改訂により英語の教科書のレベルがぐんと上がりました。(2023年現在中3以降の学年は、改定後の教科書を中1から使用しています。)このブログを読まれている方の中には「改定後の教科書が難しくなった!」という声は、もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。それは一体なぜかというと、いくつか理由があげられます。

①小学校英語から中学校英語の接続がうまくいっていない

小学校5・6年生の「外国語」では、参考文献

外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語 による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュ ニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

上記が主な目標となっています。

4技能が目標になっているとは言え、私が聞いたところによると、地域差、先生によって特に読み書きの扱われ方が異なるようです。書き写すということはするけれど、自分で何も見ずに書くということはしていなかったり、単語は読めないけれど!?とりあえずたくさん単語を書かされてしまったケースもあるようです。小学校の英語の授業は年70コマありますが、他にもやらなくてはいけないことが多すぎて特に読み書きをじっくり丁寧に教える時間がないのだと思います。読み書きというのは、習得するのに時間がかかり個人差も大きい領域ですので、「教えたいけれど時間がない」など学校の先生も歯がゆい思いをされているのではないかと想像できます。
しかしながら、改訂された中学校の教科書には「小学校の単語」ということで、しれっと!?たくさんの英単語が羅列されており、それらは既習事項として扱われています。ここに「小学校700語問題」と言われる主な理由があります。小学校では主に聞く話すだけで、なんとなく聞いたことのある英語なんとなく書き写してきた英語だったにも関わらず、中学校ではあくまで小学校で習ったものとして扱われるため、一から丁寧に教えてもらえるわけではありません。

②be動詞、一般動詞、canが一気にでてくる教科書
New Horizonを例に出しますが、be動詞、一般動詞、canの文法事項が、unit1に一気に出てきます。これらは、小学校の英語の授業で触れている内容とは言え、通常習得するのに時間がかかるものだと思います。ましてや、同じunitに全てが一緒に出てきてしまうことで、今まで理解できていた子たちも混乱している様子でした^^; 
小学校では単元ごとにカラーテストがあるため、その単元の内容が理解できていれば解きやすくなっています。しかし、中学校では試験範囲が広く単元も複数となるため、余計に混乱してしまう可能性があります。

このような状態で、かつ、以前よりも教えなくてはならない項目が多い教科書を1年間で終わらせなくてはいけません。ましてや愛知県の場合、中学3年生は1月から高校受験があるので、12月には終わらせているのが理想なんだと思います。そうなると、各授業での進むペースは必然的に早くなってしまいますね^^;あまり理解することなく次の単元に進んでいるケースはかなり多いでしょう。先生方はもちろん子どもたちも本当に苦労していると思います。

さて、改定後の教科書の問題が浮き彫りになりましたでしょうか。それでは、この「小学校700語問題」一体誰が教えるのでしょう?小学校?中学校?でしょうか。もうやることが満載すぎてどちらの学校でも丁寧には教えてもらえない状況なんです。

長くなりましたので、「小学校700語問題」を考えてみました②へ続きます。。。

 

以前も中学英語の教科書について書いています。教科書改定後の中学生の英語力ー衝撃の結果に

 

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